失敗,相続,ポイント,5か条,遺言,贈与

①相続人の範囲及び相続分を知ること

  相続人 相続分
第1順位の相続人 配偶者


 
2分の1

2分の1
第2順位の相続人 配偶者

直系尊属(父母など)
3分の2

3分の1
第3順位の相続人 配偶者

兄弟姉妹
4分の3

4分の1

[第1順位の相続人について] 

子が既に死亡しているときは、その子の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。
これを、代襲相続と呼びます。
子が数人いるときは、相続分2分の1を頭数で割った相続分になります。
 
[第2順位の相続人について]
父母も祖父母もいるときは、死亡した人に近い父母が相続人なります。
第2順位の相続人は、第1順位の相続人がいないとき相続人になります。

[第3順位の相続人について]
兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
しかし、第1順位の時の様に孫は相続人になりません。
つまり、再代襲はないということです。
第3順位の相続人は、第1順位の相続人も第2順位の相続人もいないとき相続人になります。
兄弟姉妹がが数人いるときは、相続分4分の1を頭数で割った相続分になります。

 
[その他注意点]
1.相続を放棄した人は初めから相続人ではなくなります。
2.内縁関係の人は、相続人になれません。
3.養子、胎児も相続人になります。
4.認知された子(非嫡出子)は相続人になりますが、相続分は嫡出子の2分の1になります。
 

②相続財産を把握すること

相続財産がどのようなものがあり、どれくらいの価値があるのかを概算でもかまいませんので把握する必要があります。

プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も把握する必要があります。
 
相続財産の純額が、いくらぐらいか把握できなければ、遺産の分け方が決まりません。
もはや、全部長男に相続させるという時代ではなくなってきておりますので、しっかりと純額を把握して、もめない分け方を決めておきましょう。
それでは、具体的に相続財産の調査方法を見て行きましょう。

1.不動産
不動産(土地、建物、マンションなど)の調査は、比較的容易にできます。
まずは、所有者宛にに送られてきている、固定資産税納税通知書で所有不動産と評価額を知ることができます。
固定資産税納税通知書を入手できない場合には、対象者の住所地や不動産所在地の市役所や区役所に「名寄帳」という書類を取り寄せます。
この、名寄帳という書類は、当該市役所等で対象者名義で課税されている不動産の明細が全て出ますので、相続不動産の調査には欠かせない書類です。
固定資産税評価額は、時価の7割程度と言われておりますので、固定資産税評価額を0.7で割り返すと概算時価を算出できます。

2.預貯金
既に把握している金融機関には、残高証明書を請求して、現在の預貯金残高や定期積立額などを把握します。
取引があるかどうか不明な金融機関に対しては、取引履歴の開示を請求をします。
取引があれば明細が出てきますし、なければ取引がなかったことが確定します。
 
3.株式
株式については上場株式未上場の株式で異なります。
まず、上場株式については、上記2.預貯金と同様に証券会社等に残高証明書や取引履歴の開示を請求します。

未上場株式は、主に会社経営されていた方の株式がほとんどですので、相続税の財産評価方法で株式の価値を把握できます。
つまり、ザックリした価額は、その会社の純資産価額です。
資産から負債を控除したのが純資産価額ですが、要は、最終的に会社をやめたときに株主に分配できる額ということになります。
 
[具体例]
資産200円-負債100円=純資産価額100円
したがって、株式の価値100円ということになります。
実際には、もっと計算は複雑ですが、概要は上記のとおりです。
 
4.保険金
保険金は、未支給の保険金生命保険金(死亡保険金)に分かれます。
入院保険等の未支給の保険金は、生前に支給原因が生じておりますので、相続財産になります。
しかし、生命保険金は、あらかじめ受取人が決められておりますので、原則として、相続財産になりません。
最高裁の平成16年10月9日決定では、原則として相続財産にならないが、特段の事情がある場合には、民法903条を類推適用をして、当該死亡保険金請求権は、特別受益に準じ持ち戻しの対象となると解するのが相当であると判断しております。
 
調査方法は、上記2.預貯金と同様です。

5.借金(債務)
①契約書、請求書、振込票などから確認する。 
②JICCやCICなどの信用情報登録機関に開示請求。
③預貯金通帳の引き落としなどの記録から確認する。

上記の全てを確認したとしても、100%とは言えません。
したがって、プラス財産と比較して明らかに借金が多い、若しくは後日請求されるのが怖いという方は、相続放棄を検討する必要があります。
気を付けなければならないのは、相続財産の一部(自宅等)の存在を知りながら、三か月以内に相続放棄の手続きをしないと、相続放棄できなくなる可能性がある点です。

相続放棄に係るお問い合わせは、こちら

③推定相続人間の紛争の可能性について検討すること

相続人間の交流関係や現在の生活状況等により、「相続」が「争続」になる可能性があります。
まったくもめる要素がないのであれば、あえて相続対策を検討する必要はありませんが、将来のことは誰にもわかりません。

現時点では、長男が全部相続するで良いと思っていても、将来失業などで生活費が必要になるかもしれません。
現在の相続人間の関係性から、少しでも不安要素があるのであれば、あらかじめ対策を検討すべきです。

④現金・預貯金を用意すること

相続財産が不動産や株式など平等に分けづらいものの場合には、その差額を調整するために現金が必要になります。

差額を現金で調整できれば、遺産の分け方について争いにならない可能性が大きです。

したがって、相続税対策として不動産や株式を購入する前に、遺産を相続人へ平等に分けられるのか、分けられない場合争いは起きるのかという点も考慮しましょう。
 
生命保険などを利用するのも一つの方法です。

5.生前贈与及び遺言の活用

項目 メリット デメリット
生前贈与 ①確実に財産を移転できる。履行した贈与は取消せない。

②相続税対策になる。年間110万円までは、贈与税は非課税。
①財産の名義変更登記に、相続よりも高い登録免許税がかかる。

②年間110万円を超える贈与には、相続税よりも高い税率で贈与税がかかる。

③居住用でない不動産の場合、不動産取得税がかかる。
遺言 ①遺産の分け方を決めておくことで、相続人間の紛争を回避できる可能性がある。

②財産の名義変更登記にかかる登録免許税が、贈与よりも安い。

③贈与税よりも、相続税の方が税率が低い。

④相続で取得の場合、不動産取得税がかからない。
①遺言が無効になる可能性がある。

②生前に遺言書の話はしにくい。

[生前贈与]
自宅を長男に確実に取得させたいというような場合には、生前贈与よって所有権移転登記をしておけば、確実に取得させることができます。

相続対策として、遺言書の作成もありますが、遺言書の有効性の問題で確実に取得させられない可能性があります。特に自筆証書遺言の場合には、せっかく遺言書を書いたのに無効になってしまったケースはよくあります。

[遺言の活用]
①相続人間で争いが予想される場合、②相続人の一人に多く相続させたい場合、③相続人以外に財産を取得させたい場合など、あらかじめ遺言書を作成されていれば円滑な相続手続きを実行できる可能性が高いです。

 
遺産の分け方は、遺言が最優先になりますので、非常に効果的です。

しかし、その書き方は法律で決められた厳格な方式のものでないと、無効になってしまう可能性がありますので、注意が必要です。
一般的によく使われる遺言書の作成方法には、下記の2つの方法があります。

 
(1)公正証書遺言
法律のプロである公証人が、遺言者から遺言の趣旨の口述をもとに遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人が保管するという最も安全・確実で、かつ最も利用されている遺言書の作成方法です。
★メリット
・確実に遺言内容を実現できる。無効になる可能性がほとんどない。
・自書できない人でも利用できる。
・相続開始後、家庭裁判所で検認がいらない。
 
★デメリット
・公証人へ支払う手数料がかかる。
・証人が2名必要

(2)自筆証書遺言
遺言者が自筆で全文を自書し、遺言書を作成する方法です。
費用は一切かかりませんが、遺言者が亡くなった場合に、確実に遺言書が発見されるという保証がないことと、以下のルールに従って作成されていない場合には無効になってしまうというデメリットがあります。
自筆証書作成のルール
★メリット
・費用がかからない。
・証人が不要。

★デメリット
・専門家の関与がない場合、無効になる可能性が高い。
・自書できない人は利用できない。
・相続開始後、家庭裁判所で検認が必要。

 
最終的に、生前贈与と遺言のどちらが効果的かは個々のお客様ごとに異なりますので、費用面も含めて検証する必要があります。
 

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